4年間

東京のスタートアップで働く大学休学2年目の人のブログ

「最高のリーダーは何もしない」を読んだ

リーダーシップとか組織力について興味のある今日この頃、本書を投資家の木村さんが紹介していたので読んでみました。

感想としては、そんなに目新しい発見もなく、微妙。。

著者の言っていることは、ざっくり言って

・消費者の価値観の多様化、価値観の変化のスピードが速くなってきた
・従来のトップダウン型経営ではなく、現場に権限を委託して意思決定させないとスピードが追いつかない
・そのためには現場メンバーのやる気を高め、自主的に動いてもらう必要がある
・従来はお金がやる気につながったが、近年は精神的豊かさを重視する若者が増えている
・仕事を通じて精神的に豊かになれるよう、会社のビジョンを通じて働く意味を与える
・経営者の仕事はビジョンの設定とその共有だけであり、トップダウンであれこれ細かな指示を出す必要はない

こんな感じです。
話を進めているうちに「ビジョンを設定」すること自体が目的してしまっているところに違和感を覚えました。

・消費者の価値観の多様化、価値観の変化のスピードが速くなってきた

これは確かにそうで、そのためにトップダウンではなく現場に権限委託はいいと思います。
しかし、実際に権限委託するには色々ハードルがあるはずで、
本書ではビジョンを設定して共有するだけで全て上手くいくとような形で書いてありますが、
実際には例えば現場メンバーに能力が足りないと権限委託は逆効果になるので採用のハードルが上がるという問題があります。
また、自主的に動いてもらうにはモチベーションが高い状態で仕事に取り組んでもらう必要があるわけですが、
その方法は何もビジョンを共有する(仕事の社会的意味を与える)だけではないと思うんですね。

例えばリクルートという会社は、「リクルートがどうなってもいい人ばかりで構成されており、働いてる人は自己の成長を目的としている人が多い」と聞いたことがあります。会社のビジョンなんて知らないが、社員は成長するために仕事を頑張っているわけなので、成長環境が用意できれば自主性は引き出せます。

ざっと思いつく、自主性を引き出す(やる気を出してもらう)源泉を挙げてみます。
・ビジョンへの共感(だいたい社会的意義につながる)
・自社サービスが提供する価値への共感
・成長環境(成長したい人向け)
・挑戦しがいのある高い目標を達成する楽しさ(目標を追うのが好きな人向け)
・成果出すほど給与増える(お金稼ぎたい人向け)
・成果を出した時にMVPとして社内表彰されるとかそういう類のやつ(承認欲求得たい人向け)

上に挙げたように、別にビジョンへの共感がなくても自主的に仕事をしてもらう環境は作れるはずです。そこで何も考えずにビジョンを設定してそれに共感してもらえば完璧だ!というのはなんか違うなと思いました。
ビジョンへの共感ってなかなか難しいはずなので、共感する人採用しようにも、高いレベルで共感する人はなかなか見つからないでしょう。

ビジョンへの共感は、ビジョンが変わらない限り継続するはずなので、やる気の源泉の中では最も期間が長い→会社を辞められにくいというメリットがあります。なので、例えば成長したい!というモチベーションで入社した社員にも、ビジョンに共感してもらえるよう努力することは大事だと思います。でも、それが全てではないんじゃないかなぁと気になりました。

僕は「挑戦しがいのある高い目標」があるかどうかを最も重視して会社を選ぶような人なので最初は著者の言っていることの理解に苦しみましたが、思うに多くの人は、「成長したい」とか「仕事での承認欲求」は持っていなくて(あるとしても弱くて)、そういう人にもやる気を持って仕事してもらうためにはビジョンを浸透させて働く意義を与えるっていうのが効率がいいんでしょうね。